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勝手口って本当に必要?キッチン動線を考えた“今どき設計”の新常識

2025.08.15

勝手口って本当に必要?キッチン動線を考えた“今どき設計”の新常識

家づくりの打ち合わせのなかで、「キッチンの横に勝手口ってつけた方がいいんですか?」という質問を受けることがあります。

かつての住宅では、勝手口は「つけて当たり前」の設備とされていましたが、ライフスタイルや家事動線の変化により、今では「なくても問題ない」どころか、「ない方が便利」と感じるケースも少なくありません。

今回は、勝手口のメリットとデメリットを整理しながら、現代の家事動線、防犯性、断熱性能といった観点を踏まえた、本当に必要な間取り設計について考えていきます。

勝手口の役割と昔の使われ方

ひと昔前の住宅では、勝手口は以下のような用途で活用されていました。

 

・ゴミ出しや資源ごみを一時的に保管するための出入り口

・裏庭や畑への通路としての利用

・来客とは別に使う「家族専用の出入口」

・買い物帰りの荷物を運び入れるための動線

 

当時はこれらの使い方が一般的でしたが、現代では次のようなライフスタイルの変化が起こっています。

・ゴミ出しは週1〜2回程度で、室内に保管スペースがあれば十分になった

・敷地面積が限られる住宅が増え、「裏庭」という概念自体が減少傾向にある

・買い物した荷物は、車から玄関やパントリーに直接運ぶケースが主流

・勝手口から出入りする機会がほとんどない家庭も多い

 

つまり、「勝手口=便利」の時代ではなくなってきているのです。

勝手口にはデメリットも!

便利そうに見える勝手口ですが、設置することで以下のようなデメリットが生じる可能性もあります。

防犯面でのリスクが高まる

勝手口は建物の裏側や側面など、人目につきにくい位置に配置されることが多く、不審者にとって侵入しやすい場所になりがちです。

特に、ガラス入りのドアや簡易な鍵を使用している場合は、セキュリティ面での不安があります。

断熱性・気密性が損なわれる可能性がある

住まいの断熱性能を高めたいと考える場合、ドアや窓といった開口部はできるだけ減らした方が効果的です。

勝手口を増やすことで、結果的に断熱性や気密性が下がってしまうケースもあるため、注意が必要です。

キッチンの動線や収納計画に影響する

勝手口の位置やサイズによっては、キッチンの作業スペースや収納の確保が難しくなる場合もあります。

本来なら広く使えるはずだった収納棚が制限されると、作業効率が下がってしまうことにもつながりかねません。

勝手口を設けた方がよいケースとは?

すべての住宅において勝手口が不要というわけではありません。

暮らし方や敷地条件によっては、勝手口を設けることで生活がより便利になるケースもあります。

以下のような条件に当てはまる場合には、勝手口の設置を前向きに検討してみてもよいでしょう。

 

・キッチンから勝手口、そして屋外へと動線がスムーズにつながっており、ゴミ出しが効率的に行える

・勝手口の先にストックヤードや専用のゴミ置き場がある

・土間収納やパントリーと連動した間取りで、荷物の出し入れがしやすい

・裏庭や家庭菜園など、外とのつながりを日常的に活用する暮らし方をしている

 

このような住まい方であれば、勝手口が生活動線の一部としてうまく機能します。

単なる「昔ながらの設備」としてではなく、動線や使い方を考えたうえで「計画的に」取り入れることがポイントです。

勝手口ありきではなく、“暮らしに合うか”を基準に考える

勝手口の有無に、絶対的な正解はありません。

大切なのは、そのご家庭のライフスタイルや敷地条件、そして家事動線に合っているかどうかを見極めることです。

注文住宅では間取りを自由に考えられるからこそ、「つける・つけない」という選択肢をしっかり検討する余地があります。

「昔からあるからなんとなく」「親にすすめられたから」といった理由だけで取り入れる前に、一度立ち止まって、自分たちの暮らしに本当に必要かどうかを見つめ直してみてはいかがでしょうか。

勝手口に限らず、住まいのひとつひとつの選択に納得して家づくりを進めたいと思ったら、ぜひ注文住宅のプロに相談してみてくださいね。

ご家族にとって「ちょうどいい暮らし方」を、一緒に形にしていきましょう。

 

徳島で注文住宅を検討中の方はぜひ一度かみくぼ住宅にご相談ください。

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